AIに話しかけるだけで編集するソフトが出てきた

Palmier Pro is the video editor built for AI.

動画編集は、いまもまだ「覚えることが多い作業」だ。

でも、ついにAIに話しかけるだけで編集を進められるソフトが出てきたことで、その前提が少しずつ崩れ始めてきた。

今回、Palmierが公開した「Palmier Pro」は、Claude Codeなどとの対話で動画編集ができ、PremiereやDaVinciで読み込める形で出力できるというもの

編集ソフトを触る前に、AIに頼みたくなる

Palmierが、6月18日、オープンソースの映像ソフト「Palmier Pro」を公開したのですが、その特徴は、AIコーディング支援ツールとの対話を通じて動画編集を進められること。

さらに、出力先がPremiereやDaVinciでも使えるようで、既存の編集ワークフローと断絶していないところが凄い。

これ、単に「新しい編集ソフトが出た」というレベルの話ではなく、動画編集が、操作の技術うんぬんではなく、意図を言葉にする作業へ近づいていることが驚きなんです。

従来の動画編集は、カット、テロップ、色調整、書き出し設定まで、編集者が画面を触りながら、時間をかけて積み上げる必要があり、誰でもが簡単に取り組めるものではありませんでした。

ところが会話型の編集なら「この部分を短くして、テンポを上げて、字幕を付けて」と伝えるだけで、下ごしらえが進んでいくわけで、ここに編集の入口を変える力が生まれているんです。

便利になるほど、編集の目は必要になる

影響が大きいのは、プロの映像制作現場だけではなく、週末に子どもの運動会をまとめたい人や、商品紹介動画をすばやく作りたい個人事業主には、かなり現実的な変化となってくる。

そもそも、これまで動画編集でつまずいていたのは、センスより先に操作であり、やりたいことは決まっているのに、それを表現するためのアプリの使い方がわからないうえ、学習コストの高さによって諦めている人は多かった。

しかし、今回のAI編集は、その停滞をかなり減らす可能性がある。

とはいえ、その便利さの裏には別の課題もあり、AIに任せるほど、最終的な出来栄えを見極める目が必要となってくる。

編集作業が楽になるほど「どこまでAIに任せ、どこから人間が直すか」を決めないと、仕上がりが雑になっていくし、特に仕事で使う場合、全部を自動化するより、カット整理や初稿作成をAIに任せ、最後の確認は人がやる形のほうが安全かもしれませんね。

まずは全部を任せない

今回のポイントは、動画編集が「できる人」より「意図を伝えられる人」に開かれ始めたこと。

オープンソースで公開されたことで、今後の改良や派生も起こりやすいでしょうし、その進化もスピーディになっていく可能性があります。

だからといって従来の編集スキルが不要になるわけではなくて、むしろ、AIに何を任せるかを判断する力、そして仕上がりを見て修正する力が、これまで以上に重要になってきます。

とはいえ、やりたいことを表現するために操作を覚えることと、仕上がりを修正するのでは役割が違いますし、素人がプロの編集技術者になるよりも、思っている映像を言葉で説明するほうがはるかに楽ではありますよね。

今回のPalmier Pro、動画編集を「触る作業」から「話す作業」に近づけたニュースであり、初心者にとってはハードルを下げる一方、仕事で使う人には役割分担の見直しを迫ってくるものとなります。

動画編集の未来は、もはやソフトの機能競争というより、編集の入口を誰に開くかの競争になっていく感じですね。