Siriが変わった、はずなのに。なんとなく拭えない不安

Siri AI

iOS 27のパブリックベータが出て、SiriがついにAIっぽくなったらしいですね。

会話が続く。画面の内容を理解する。アプリをまたいで操作する。

デモの説明だけ見ると、ようやくSiriが「あの頃約束されていたもの」に追いついたように見えるんだけど、正直、素直に喜べていない自分がいます。

Geminiで大丈夫なのか、という不安

そもそもの話として、AppleがGeminiを選んだ経緯を追っていくと、ちょっと引っかかるんですよね。

これ、「一番性能が良かったから選んだ」という話じゃないっぽいんですよね。

報道によると、Appleは最初Anthropic(Claude)との提携を本命で考えていたらしいんですが、Anthropicが提示した金額が「年間数十億ドル、しかも3年かけて倍増」という強気すぎる条件だったことから、さすがのAppleもこれは無理だと判断して離脱したのだとか。

結果、年間10億ドルほどで折り合ったGoogleのGeminiに落ち着いたという流れのようで、「性能で選んだ」というより「現実的な金額で手に入ったから選んだ」に近いん近いんですよね。

しかも、不安を煽ってくるのが、Apple自身は社内の開発ツールとしては今もClaudeを結構がっつり使っているということ。

表向きはGemini、でも中の人たちが実際に信頼して使っているのは別のモデル(Claude)ってことなんですよ。

これ、「一番いいものを選んだわけじゃない」ってことをApple自身が体現しちゃってるんですよね・・・。

だから「Geminiで大丈夫なんですか」という気持ちにもなってくるでしょ?

予算とスケジュールの都合で選んだものが、本当にSiriの中身として胸を張れるものなの?

そもそも、これまでSiriは散々な扱いだったし、また同じ失敗をするのでは?

Siriは結局Siriのまま、という感覚

もうひとつ、これは今に始まった話じゃないんですけど。

Siriの「今度こそ変わります」って、もう何年聞いてきたんだっけという話。

2011年の登場からずっとそうだったし、直近でも2024年のWWDCで華々しくデモした機能が、結局1年経っても出てこなくて、CMまで作ったのに取り下げる羽目になったなんてこともありましたよね。

で、今回のiOS 27パブリックベータも触ってみると、たしかに会話は続くし便利になった実感はあるものの、開発者ベータの段階ではニュースを聞いたつもりが連絡先を検索し始めた、みたいな話も普通に出てきています。

サードパーティアプリとの連携もまだ弱くて、結局「Apple純正アプリの中でだけ賢い」という、これまでとそんなに変わらない構造が残っているようにも。

中身がGeminiに変わろうが、Claudeに変わろうが、「Siriという入れ物」自体が抱えている問題は、そんなに簡単には解決しないんじゃないでしょうかね?

Appleの革新が、そこをついた感じ

ここまで書いてて思うのは、これはSiri単体の話じゃなくて、Appleという会社の話なんじゃないかということ。

自分たちだけでフロンティアモデルを作れず、他社の技術を借りないと前に進めない。

しかもその「借りる相手」すら、性能じゃなくて予算で選ばざるを得ないという残念な意思決定。

垂直統合がAppleの強みだったはずなのに、AIという一番大事な部分だけは、それができていない。

これって、単に「AI競争に出遅れた」というより、「もう自社だけで完結させる時代が終わった」ということの表れなんじゃないかと。

ジョブズが、ジョブズがなんてことは言いたくないんだけどね・・・。

iPhoneもMacもOSも全部自前で作ってきた会社が、頭脳の部分だけは他社に頼らざるを得ないというこの非対称さ、なんというか、Appleらしくないですよね?

とはいえ、それが悪いことなのかどうかは、まだよくわからないところではあるんですけど、2度あることは3度あるし、それを打破できるような人材がいそうもないからなぁ、今のApple。

「餅は餅屋」で割り切るのが賢いのかもしれないし、逆に言えばそれこそがAppleの終わりの始まりなのかもしれませんね。


正直、答えは出ません。

iOS 27の正式版が出て、実際にみんなが使い始めてみないと、今回の判断が吉と出るか凶と出るかはまだわからないのでしょうね。

ただ、「今度こそ」という言葉を、また信じていいものかどうか?そこだけは、ちょっと気になっています。

Siriが登場したての頃の「ちょっとおバカなところが可愛い」といっていられるような時代ではなくなってきているんですけどね・・・。